千葉ジェッツのハードショウ攻略。富山が見せたショートロールとタグダイブを解説
千葉ジェッツvs富山グラウジーズの2連戦から、富山がハードショウやダブルチームを攻略したオフェンスを解説。ショートロールやアングルチェンジパスなど、ディフェンスのプレッシャーに対して、富山がチーム全体でどのように対応したのかを映像から考察します。
ー2026年10月31日、11月1日に行われた千葉ジェッツvs富山グラウジーズの2連戦。
富山がGAME1を100-93、GAME2を83-78で勝利し、2連勝を飾りました。
千葉は富山のキープレイヤー、#6ブライアン・アンゴラ選手を警戒。アンゴラ選手に対してハードショウやダブルチームを仕掛け、ボールを離させるように仕向けました。
ハードショウとはピックアンドロールの際に、スクリーナーのディフェンスが前に強く飛び出してプレッシャーをかけるディフェンスです。
しかし、富山はショートロールとTag Dive、Angle Change Passを効果的に活用し、千葉のディフェンスを攻略しました。
今回は、富山のオフェンスを例に、ショートロールとタグダイブの仕組み、そしてAngle Change Passを使った攻略方法について解説します。
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それでは本題です⬇️
ショートロールとは?
ショートロールとは、ピックアンドロール(PnR)でスクリーナーがリングまで深くダイブせず、フリースローライン付近でパスを受けるプレーのことです。
ハードショウやダブルチームでは、ボールマンに2人のDFが対応するため、1対2の状況になります。
そこで有効なのがショートロールです。
スクリーナーが浅い位置でパスを受け、中継役になることで、残りのオフェンスは4対3の数的有利を活用できます。
この4対3から、ショートロールした選手が自らシュートを狙ったり、味方へのパスやカッティングを使って攻めたりすることができます。
実際のプレーを見てみましょう。
【GAME2 1Q 残り2:30|Short Roll】
アンゴラ選手へのハードショウに対して、田中選手がショートロールで中継し、ジャンプシュートを決めます。
ショートロールに対するTag DF
もちろん、ディフェンスもショートロールから簡単にシュートやリングへのアタックを許すわけにはいきません。
そこで必要になるのがTag DF(タグディフェンス)です。
Tagとは、周囲のDFが一時的にロールマンへ対応し、スクリーナーのDFが戻るまで時間を稼ぐ守り方のことです。
しかし、ここで一つ問題があります。
タグに出たDFが元々マークしていた選手は、誰が守るのでしょうか?
4対3の数的有利ができている以上、ディフェンスの誰かが一時的に2人を守らなければなりません。
そこで重要になるのがTag Dive(タグダイブ)です。
Tag Diveでディフェンスを攻略する
Tag Diveとは、タグに出たDFが元々マークしていたオフェンスが、リングへ向かってダイブする動きのことです。
例えば、コーナーのDFがショートロールに対してタグに入った場合を考えてみましょう。
タグに出たDFはロールマンを守っていますが、その間にコーナーの選手がリングへカットするとどうなるでしょうか?
⛹️ショートロール後の合わせの動き
— Hardworker (@basket_tool) June 3, 2025
✅Short Roll + Corner Cut
ショートロールに対してディフェンス(タグ)が対応してきた場合、そのタグディフェンダーが元々マークしていた選手が、コーナーへカットする動き。ゴール付近で2対1ができる。
pic.twitter.com/CyTQAYWlFq
タグに出たDFは、ロールマンとカッターの両方を守らなければなりません。
バスケットボールでは、リング付近でのシュートを優先して守る必要があります。しかし、ショートロールとリングへダイブする選手を同時に守ることは簡単ではありません。
つまり、ロールマンとカッターによって、ゴール付近で2対1の状況を作ることができるわけです。
仮に45度のDFがローテーションダウンしてカッターに対応したとしても、今度は45度の選手がフリーになります。
このように、ショートロールに対してタグで対応すれば、別の場所にスペースが生まれます。
実際に富山がどのように攻めていたのか、プレーを見ていきましょう。
【GAME2 2Q 残り6:20|Short Roll+Tag Dive】
アンゴラへのハードショウに対してショートロール。Tagが来たため、コーナーのダラルがTag Diveでダンクを叩き込む。
【GAME2 2Q 残り5:16|Short Roll+Tag Dive】
富樫選手のタグに対して、田中選手がリング下へ合わせる。
ショートロールへのパスを防がれた場合は?
ここまで、ショートロールとTag Diveの仕組みについて説明しました。
しかし、ハードショウやダブルチームでは、ボールマンに強いプレッシャーがかかるため、簡単にショートロールへパスを通せるわけではありません。
富山はパスが出せない場面、Angle Change Pass(アングルチェンジパス)でカウンターをかましていました。
Angle Change Passとは?
Angle Change Passとは、別の選手を経由することでパスの角度を変えるプレーのことです。
例えば、ボールマンからロールマンへのパスコースが塞がれている場合でも、第三の選手を経由することで、別の角度からパスを通すことができます。
詳しくはこの記事に書いているので是非お読みください。

今回の富山は、このAngle Change Passも効果的に活用していました。
【GAME1 1Q 残り6:00|Angle Change Pass】
ラベナへアングルへ変えてラシードのダイブへパスして得点。ラベナ選手はこの構図に気づいて、ハイポスト移動しています。
【GAME1 1Q 残り6:00|High Post Flash+Angle Change Pass】
このプレーでは、ラベナがハイポストにフラッシュしてパスの中継役となり、Angle Change Passからラシードのフィニッシュにつなげています。
富山の連携プレー、共通認識
ここまで富山のハードショウに対するカウンターを見てきました。
今回、何より素晴らしかったのは、富山のチーム全体での共通認識と連動性です。
千葉のプレッシャーに対して、ショートロールやアングルチェンジパスを使って攻略していましたが、これらは一人の選手の判断だけでは成立しません。
ラベナがダイブへのパスを狙う動きや、ショートロール後のTag Diveになど、全員が相手のディフェンスを理解し、プレーを選択していることがわかります。
次の名古屋Dとの試合も大注目です。
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